あー blog

説明するような内容が皆無

いつかの自分に

私は昔からピアノの音が好きではなかった。技巧に感動することがあっても、音自体を好きになったことはなかった。ピアノの音はどこか湿った感じがする、梅雨の少し冷えた体育館のゴムの匂いのような寂しい感じを思い出す。心細い感じがしてあまり好きではない。対してギターの音は好きだ。乾いた感じがして、冷涼で広い大地の音がする。どちらにせよ一人であることは変わらないのに、こっちは心地よい感じがする。

私はいつも自分の理想郷を想像している。自分にとって居心地が良い空間を想像するのが好きだ。同じ学校でも昼下がりの音楽室で楽器を叩いている時は好きだったなとか、運動会の休み時間の乾いたグラウンドとか、バイトが終わって車窓から見たビルの景色は今でも目に焼きついている。気の抜けた空間が好きだ。

夜の静かな部屋の中でお気に入りの作品を見る瞬間とか、最近だと銀魂にハマっている。皆んなが銀さんが好きな理由が分かる。2次元なのにあんなに魅力的で人間らしいキャラクターはなかなかいない。この年で初めて銀魂を見て良かったとも思う。小学生の時だったら銀さんの良さってあんまり分からなかったかもしれない。彼は退役兵の持つような退廃的な雰囲気とガキ大将の気前のよさと懐の深さ、明快さを持つ珍しータイプの人だと思う。(ジャンプ作品の主役は現役兵なので銀さんはそれだけでも異質)

こないだ映画館で「地獄の黙示録」を見たが、あの主人公的な側面を絶対に持っている人だと思う。まぁ狂気に走ったりしないし(悪夢は見るけど)あそこまでの鬼気迫る表情をしている時は少ないけど。あぁいうのを主役にしちゃうっていう空知先生すごいなと思う。しかも生活意欲を失った退役兵が住んでるのが間借りしたスナックの2階という、文字だけで見ればどこぞの小説に書かれてそうな雰囲気だ。夕方アニメが背負っていい雰囲気じゃないよ。こんな設定重いのにシリアスで描かれたら心がHelp...Pulp Fictionだよ。(だからあんなにあっけらかんと描かれているのだろうが、銀魂のあの底抜けの明るさと下ネタにも理由がありそうなのとても良いと思う、まぁないと思うけど)てか、神楽ちゃんどこでパルプフィクション知ったの笑 

ずっとあの作品に浸っていたいなと思いつつ、他の作品も並行で見ている。まどマギは面白いけどあの世界観が自分には可愛らしすぎて合わない。でも脚本や構成が素晴らしいのと、ほむらやさやかに幸せになって欲しい気持ちが強くてみている。今度こそ幸せになれ、つーか報われてくれほむら! 私は「あぁこいつ幸せになれるチャンス沢山あったのに報われなかったキャラ」がいるストーリーへの執着がすごいのです。

 

p.s.今度は2次小説でも書いてみるかね、意外とハマりそうで怖いが...